英駿高等学院で、子どもたちや保護者の方とお話をしていると、時々こんな言葉をいただきます。
「うちの子、このままで大丈夫でしょうか?」
学校に毎日通えない。
勉強が思うように進まない。
朝、なかなか起きられない。
将来のことを聞いても、本人からはっきりした答えが返ってこない。
そして、親御さんは心配になります。
「このままで高校を卒業できるのだろうか」
「将来、ちゃんと仕事に就けるのだろうか」
「同年代の子どもたちから遅れてしまうのではないか」
「もっと本人に頑張らせたほうがいいのではないか」
親としては当然の心配だと思います。
我が子の将来を思えば思うほど、何とかしてあげたい。
少しでも早く元の状態に戻してあげたい。
そう思うのは、決して悪いことではありません。
ただ、私は教育の現場に長くいて、時々こんなことを感じます。
「もしかすると、大人のほうが少し急ぎすぎているのではないだろうか」
もちろん、本当に専門的な支援が必要な場合もあります。
ですから、すべてを「そのうち何とかなる」と考えてしまうのは違います。
けれども、今の状態だけを見て、
「この子はこのままで大丈夫なのだろうか」
と、子どもの未来まで決めつけてしまう必要もないのではないでしょうか。
子どもには、子どもの時間があります。
「できない」のではなく、「今は動けない」だけかもしれない
高校生くらいになると、子ども自身も自分のことをかなり気にしています。
周りの友達は普通に学校へ行っている。
勉強もしている。
進路も考えている。
それなのに、自分は思うようにいかない。
「自分は何をやっているんだろう」
「このままでいいのかな」
そんな気持ちを抱えている子もいます。
でも、そうした気持ちを親にうまく説明できるとは限りません。
だから、
「もう嫌だ」
「放っておいて」
「うるさい」
といった言葉になってしまうことがあります。
親からすると、
「この子はやる気がない」
「将来のことを何も考えていない」
と見えてしまうかもしれません。
でも、本当は逆かもしれません。
自分でもどうしたらいいのか分からない。
うまくいかない自分にいら立っている。
周りと比べてしまって苦しい。
だから、いちばん安心できる親に当たってしまう。
そんなこともあるのだと思います。
親御さんが、その言葉をすべて真正面から受け止めなくてもいいのではないでしょうか。
子どもの言葉の奥にあるものを、少し離れて見てあげる。
それも大切なことだと思います。
親が「教える」必要はない
子どもが小さい頃は、親が手をかけてあげる必要があります。
勉強も教える。
生活も整える。
忘れ物がないように声をかける。
それは自然なことです。
しかし、高校生になれば、少しずつ親の役割も変わっていくのではないでしょうか。
何を勉強するのか。
どんな学校生活を送るのか。
将来どうしたいのか。
本来、それを考えていくのは子ども自身です。
親が先回りして、
「こうしたほうがいい」
「こうしなさい」
「このままでは困るよ」
と言い続けることで、かえって子どもが自分で考える機会を失ってしまうこともあります。
もちろん、放っておくという意味ではありません。
見守ることも、支えることの一つです。
分からないことがあれば、学校や教育の専門家に相談してもいい。
進路について迷っているなら、一緒に考えてもいい。
でも、最後に一歩を踏み出すのは、子ども自身です。
家庭は、子どもが安心して戻ってこられる場所であればいい。
私は、それだけでも十分に大きな役割だと思っています。
英駿高等学院が大切にしていること
英駿高等学院では、生徒を急がせません。
他の生徒と比較することもしません。
一人ひとりに、それぞれの歩幅があると考えているからです。
学校へ行けなかった期間がある。
勉強が止まっていた。
生活リズムが崩れている。
人との関わりに疲れている。
そうしたことを、すぐに「遅れ」と考える必要はないのではないでしょうか。
まずは、本人が安心できること。
そして、「少しやってみようかな」と思えること。
そこから始まればいい。
大切なのは、周りの子どもたちと同じスピードで進むことではありません。
その子自身の「学ぶ」が、もう一度動き出すこと。
英駿高等学院は、そこを大切にしたいと考えています。
「このままで大丈夫?」ではなく、「どうしたら一歩進める?」
子どもの姿を見ていると、親はどうしても先のことを考えてしまいます。
「このままで大学へ行けるのか」
「就職できるのか」
「社会に出て大丈夫なのか」
でも、高校生の今の姿だけを見て、その先の人生まで決めることはできません。
今、動けないからといって、一生動けないわけではありません。
今、勉強ができないからといって、一生勉強できないわけでもありません。
今、将来の夢がないからといって、ずっと夢がないわけでもありません。
人は、変わります。
環境が変われば、気持ちが変わることもあります。
出会う人が変われば、考え方が変わることもあります。
そして、自分自身が変わっていくこともあります。
だからこそ、
「このままで大丈夫なの?」
と問い続けるより、
「今、この子に何があれば、一歩動き出せるのだろう?」
と考えてみる。
そのほうが、子どもの今を見つめることができるのではないでしょうか。
親にできることは、「信じて待つ」ことかもしれない
子どもが苦しんでいるように見えると、親は何とかしてあげたくなります。
それは当然です。
でも、子どもの人生を親が代わって歩くことはできません。
だからこそ、
「あなたなら大丈夫」
「自分で考えて、自分の道を見つけていける」
そんな信頼を、言葉にしなくても伝えていくことが大切なのだと思います。
急がなくてもいい。
人と違ってもいい。
一度立ち止まってもいい。
やり直してもいい。
高校生活は、人生のゴールではありません。
これから先、何十年と続いていく人生の、ほんの一部分です。
だから私は、保護者の皆さんにも、少しだけ肩の力を抜いてほしいと思っています。
心配することよりも、信頼すること。
否定することよりも、まず受け止めること。
急がせることよりも、その子の歩幅を見てあげること。
それが、子どもがもう一度、自分の力で歩き始めるための支えになるのではないでしょうか。
英駿高等学院は、
「生徒を急がせません。比較しません。一人ひとりの歩幅を大切にします。」
そして、
生徒自身の「学ぶ」が動き出すこと。
そのための場所でありたいと思っています。
学校説明会のご案内
【開催日時】
2027年9月27日(日)
13:00~14:30
【会場】
英駿高等学院
(大津市栄町1-14)
【定員】
各回10名
必要としておられる方に、
この説明会が優しいきっかけとなれば幸いです。
